11/13 鉄道とクイズの旅モニターツアーレポート

今回のツアーは「上越リアル鉄道博物館プロジェクト」のモニターツアー。
令和4年度 観光庁「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」採択案件として、助成金をいただき運営を行うこととなりました。

博物館というと、通常は保存されている文化財などが収蔵されているのですが、私たちは上越市全体の鉄道資産をリアルな鉄道博物館ととらえて、地域の鉄道資産をあらためて、新たな地域の看板商品としてまとめていこうという取り組みをプロジェクトとして実施していきます。
その第一弾として組んだモニターツアーは、最近は車社会でなかなか鉄道に乗る機会がない、鉄道は移動手段としか見ていない、そんな方々でも鉄道をより楽しんでいただきたという思いから作らせていただきました。
それは、ふだんはお話ができないような鉄道の専門家の人とお話ができたり、立ち入ることができないようなところに入れたり、そこでしか見られないものを見たり体験できたりという、特別コースを親子で巡りましょうというツアー。しかもこのツアーにはさらなる仕掛けとして、全員がクイズに参加しながら、鉄道のこと、地域のことを考え、学びながら旅をするというクイズツーリズムの企画となっています。

参加したのは半日ツアー親子5組、1日ツアー親子10組で合計15組となりました。

朝8時半、上越妙高駅に集合。

受付が終了すると、まず最初にクイズ回答用の①②③の番号札を配り、専用のショルダーバッグに収めて準備完了。
クイズツーリズムのセッティング完了。

そして、出発前にまずは簡単な鉄道問題から。

正解したら、出題者のところに自分のチーム番号のシールを張り付けにみんな集まってきます。いきなりの盛り上がりにツアーへの期待度も一気に上昇。

そして、このツアーの楽しみ方がわかったところでいよいよ出発。

9:00発の観光急行(妙高高原行)に乗車、駅舎や雪囲いなど、7棟の建造物が登録有形文化財に登録されたえちごトキめき鉄道二本木駅に向かいます。

この二本木駅に到着する前には、新潟県唯一のスイッチバック方式での入線体験。

列車が止まり、逆行し始めるとこどもたちはすかさず振り返り、窓の外の風景の変化を楽しんでいました。

そして、二本木駅では全員ヘルメットと安全帯を装着し、普段入ってはいけない線路の上に向かいます。線路の中を歩くだけでもドキドキ体験ですね。

ここでは、間もなく雪のシーズンを迎える豪雪地帯の消雪設備や雪への備えなどを間近に見学させていただきました。

このツアーの特徴は各地でクイズが出されること。
クイズに正解すると最後に素敵な賞品がもらえるという仕組みです。
ですから、ホームの上でもクイズ大会。
番号札をあげた瞬間、ほかの人の回答が気になってみんなキョロキョロ。
「説明を聞くだけのツアーと比べて全員が参加できるクイズでドキドキしながらツアーを楽しめた」という声をいただきました。

二本木駅の次は上越にあるふたつのレールパークを見学するためにパスに乗り込みます。

バスの中でもクイズ大会。

上越市の地理も問題として登場しました。

そして、バスは直江津駅に到着。

まずは直江津駅の中へ。駅の中にも鉄道の歴史が残っているのです。

1番ホームにあるのはゼロキロポスト。

ここが新潟県鉄道発祥のゼロ地点であるというしるしです。

そして、いよいよ直江津D51レールパークへ。

まずは普段入ることのできない列車の整備点検を行う検収庫へ。

ここでは、「列車のねじが緩んでいないか」は金づちでたたいた時の微妙な音の変化で確認しているとか、鉄の車輪のブレーキのすり減り方とかを実際に見ながら、安全安心に列車を走らせることの大変さを知りました。

ここで、半日ツアーのみなさんは終了となりますので、みんなでお弁当をいただきながら、午前中最後のクイズ大会。その結果をもって、半日ツアーの表彰式を行いました。

午後からは少し雨が降り出しましたが、SL乗車体験もしっかりと楽しめました。

そして、最後はもう一つのレールパーク、くびき野レールパークへ。

すでに廃線となってしまった旧頸城鉄道の機関庫跡地を利用して作られた頸城鉄道車輌の公開施設であり、それを地域のボランティア団体が保存しており、春から秋のシーズンに不定期でしか公開できず運営もとても苦労されているにもかかわらず、とてもメンテナンスが行き届いています。

今回は今シーズンの公開終了後の特別貸切見学。動態保存の軽便鉄道に体験乗車もさせていただきました。

あいにく雨が強くなる中、スタッフの皆様にも熱心にご説明いただきました。

そして、やはりここでもクイズ大会。

そろそろ疲れがではじめた時間帯でしたが、みんな元気よく参加してもらえました。

直江津D51レールパークもくびき野レールパークもまさにリアルで動いている鉄道博物館。

この鉄道資産を支えている人たちから鉄道に関する技術や安全確保のための仕事について、直接お話を聞かせていただき、それを目の前で見て、実際に本物の列車にも乗車体験できるという貴重な機会をいただいたことに感謝。

子どもたちには鉄道とのかかわりを作り、地域の魅力を感じることで、鉄道ファン、地域の不安になっていただきたいと感じた次第です。

今回は1日コースで二本木駅のスイッチバック体験、二本木駅の裏側探索、直江津駅の鉄道の歴史見学、直江津D51レールパーク、そしてくびき野レールパークと盛りだくさんの行程でしたが、いずれも「もう一度行ってみたい」という声をいただきましたが、なかでも乗車体験のできるレールパークはとても人気があり、再来訪以降が高かったようです。

また、今回初めての取り組みとしてトライしたのが、クイズツーリズムです。旅先をクイズで巡るなんて意外と簡単そうに見えるかもしれませんが、なかなか簡単に企画・実行ができるわけではなく、回答用の番号札や問題の見せ方、難易度の設定など、いろいろなケースをシミュレーションしてようやく出来上がった旅行企画となりました。

ツアー終了後のアンケートでクイズについては、「ワクワクした」「正解した時うれしかった」「見学だけのツアーより楽しかった」と参加した喜びとともに回答いただくことができました。

はじめてのクイズツーリズム本番。とても受けが良くて安心しました。
特におとうさんが子どもさんたちと盛り上がっている姿が印象的でした。

上越リアル鉄道博物館プロジェクトでは今回の参加者の皆さんの声を分析し、何度でも参加して楽しいツアーの開発を行ってまいります。

ご参加の皆さん、ありがとうございました。