12/18 鉄道ファン向け 鉄道とクイズの旅 モニターツアーレポート
12月18日(日)は
えちごトキめき鉄道鳥塚社長がご案内!
「鉄道マニアじゃなくても雪国の鉄道を支えるいろんな技術を
見て学び、クイズしながら満喫する日帰りツアー」
新潟県全域暴風雪注意報という心配な状況の中、幸い上越地域については降雪量も少ない予報であったため前日18時にツアー催行を決定。午前中は雪もほとんど降らず、時折少し晴れ間が出るという雪国らしいスタートとなりました。
しかしながら、前日の雪も含めて行程の大幅な変更を余儀なくされたうえに午後からは大雪で悩まされるという厳しい工程となってしまいました。
今回のモニターツアーは前日から参加していた外国人モニター(台湾人4名、ベトナム人1名、ポーランド人1名)に加えて、日本人10名、オーストラリア人4名総勢20名の参加となりました。
日本人10名はこの雪の中でも鉄道の旅なら参加していただける「鉄道好き」な方々。
それと日本の鉄道をあまり知らない外国人。
多少無理のある設定ですが、モニターツアーということでご容赦いただき出発しました。
鳥塚社長のごあいさつの後、今回も「鉄道とクイズの旅」ですから、出発前には参加者全員に①②③の三択用番号札を配布し、練習問題でどのように楽しんでいただくかを説明、ご理解いただいたうえで出発します。
今回は「鉄道の旅」としてのテーマは「豪雪を乗り切る鉄道会社の技術や安全のための取り組み」。
折からの雪により、それを実際の雪の中で体験していくという結果となりました。
まずはスイッチバックが体験できることで有名なえちごトキめき鉄道二本木駅へ列車で向かいます。
二本木駅では雪が降り積もったホームの端から融雪装置、消雪設備の見学をさせていただきました。
ふだんわれわれは何気なく列車に乗って移動しているわけですが、その「なにげなく」を提供することが雪国の鉄道はとてつもなく大変。
線路のつなぎ目のポイントが凍ってくっついてしまうだけでも事故につながるわけですから、さまざまなところに配慮が行き届き、これを維持するだけでも大変なコストと労力が必要であることを目のあたりにしました。
雪自体もめずらしいアジア系の外国人参加者は雪を踏みしめて歩くだけでも体験になるようですね。
日本人「鉄道好き」のみなさんが特に食いついていたのは、普通は入れない二本木駅内の執務室。現在の雪の状況、運行状況が表示されている機器類、表には展示されていない昔の路線図や時刻表など、駅長自らの説明も加わり、とてもレアな見学機会となったようです。
そして、妙高山のふもとの二本木駅から頸城バスの貸切バスに乗り、一気に日本海に向かいます。
本来ならば、撮り鉄に人気の撮影スポット、有間川駅で見学という予定でしたが、二本木駅を離れた時から一気に大雪といいますか、暴風雪に使い状況となってしまったため、見学を断念。さらに予定していた大藤崎斜坑という工事用に作られたトンネルから特別に貨物列車通過体験ができるという予定についても、危険と判断し、トンネル駅で有名な筒石駅の見学に切り替えることとなりました。
天候もあって、屋外でのクイズ大会は避け、移動中のバス車内でクイズを出しました。
クイズ問題はかつてテレビのクイズ番組で何度も優勝経験のあるレジェンド北川宣浩さんに作っていただき、当日もツアーに参加いただき、北川さん自らの解説もつけながら進行しました。北川さん自身も「鉄道好き」ということもあり、「鉄分が非常に高め」の問題設定ということもあって難問ばかり。
外国人参加者にはさっぱりわからない設定だったので心配いしましたが、それはそれで「当たったら大喜び」。クイズの回答とは別にゲーム性が高い参加型コンテンツであることがわかりました。クイズツーリズムは世界にも通用するのでは、感じた瞬間でした。
バスは有間川を通過し、日本海の海沿いを風雪の中能生駅へ。
ここでバスを下車してえちごトキめき鉄道ひすいラインでトンネル駅「筒石駅」に移動します。
外は氷点下の大雪ですが、地上から40m地下にある筒石駅のホームはとてもあたたかく、みんなびっくり。
折り返して糸魚川に向かう列車まで1時間近くあるのを心配していましたが、一安心。トンネル駅の散策に向かいます。
外国人は駅の外に出て雪を楽しみ、日本人鉄道好きの皆さんはホームの端から端まであるいて撮影。列車が来るとなるとホームに戻ってまたまた撮影。それぞれに楽しみ方があるようです。
筒石駅から開業100年を迎えた糸魚川駅に列車移動したあとは観光急行に乗って、直江津へと向かいます。
列車入線は13時32分。発車13時42分ということで、大変遅いランチタイムとなりましたが、外国人にとってはとてもめずらしい「駅弁」をご堪能いただきました。
列車内では健康祈願 延命長寿 大願成就を祈願するトキ鉄 四五五神社参拝の時間もあり、鳥塚社長自ら車内を回りながらツアー参加者との交流をさせていただきました。
直江津駅到着。
直江津駅ができたのは1886年(明治19年)、今から136年前。
そのスタートとなったゼロキロ地点をしめすゼロキロポストを見学。
とここまでは屋根の下でしたが、今回はトキ鉄のご厚意により、除雪車の見学をさせていただくために駅の外の車両基地で雪降る中での見学となってしまいました。
最終目的地は直江津D51レールパーク。
通常営業は11月末まで。現在冬期休業中ながら特別に列車の保守を行う検収庫を見学させていただきました。全員ヘルメット着用で検収庫の中へ。車両を上から見る機会はめったにありません、しかもこんな距離で。
目の前にあるとても大きな列車の安全を支えるブレーキの仕組みを説明いただき、その制動パッドのすり減り方を見ると確認点検の大切さがとてもよくわかります。
以上でモニターツアーの行程は終了。
大雪の中、少々ご無理申し上げつつも無事終了できましたこと、感謝申し上げます。
今回のツアーでは悪天候のため、予定していた15問のクイズは6問しか実施できず。
それでも表彰式はさせていただきました。
今回のツアー終了後のアンケートでは、
「モニターツアーを通じて、上越に残る鉄道遺産、鉄道の歴史の魅力について、理解は深まりましたか?」という問いに対しては全員高まったとお答えをいただきましたが、コメント欄においては「盛りだくさんすぎた」「疲れた」「雪が大変だった」とのお言葉をいただき、雪国の鉄道を見る目的はありながらも、真冬の行程であることを加味する必要があるということを反省材料とさせていただきます。
また、クイズに関しても、予定通りに運営できなかったことも含めて、満足度はばらけてしまいました。
20問中6問しかできなかったために達成感が薄かったのではないかと推測しております。
しかしながら、クイズの楽しみ方としては「正解した時がうれしかった」「見学だけのツアーより楽しかった」という意見をいただけましたことで、クイズ企画の趣旨はご理解いただけたものと安心いたしました。
(補足)上記グラフの設問文は以下のとおりです。
ワクワクした、正解したときうれしかった、みんなで競うのが楽しかった、参加者との会話がはずんだ、問題と答えの説明がためになった、見学だけのツアーより楽しかった、自分も参加できるのは楽しい、もっとレベルの高い問題がほしかった、考える時間が短すぎてついていけなかった、もっとたくさん答えたかった、むずかしすぎた、考えすぎて疲れた、この中にはない
今回は「鉄道好き」日本人と外国人が混在していたものの、クイズ内容については「鉄道好き」日本人に寄せたレベルとしたため、評価に差が生まれてしまいましたが、対象者に合わせた設問の難易度調整、設問ジャンルの調整などを行いながら、盛り上がるクイズツーリズムコンテンツへと育ててまいりたいと思っております。
今回もえちごトキめき鉄道 鳥塚社長に解説していただきながら行程を進め、ツアーは無事終了しましたが、今回は冬場であり、かつ雪の中の旅となるため、二本木駅、筒石駅、糸魚川駅、直江津駅それぞれにたくさんのスタッフの方々が安全で快適に見学していただけるように先回りしてご準備いただきました。そのご苦労、ご配慮に感謝申し上げます。
ありがとうございました。