12/17 外国人とクイズしながら高田のまちあるきモニターツアーレポート

コロナ禍の渡航制限も徐々に緩和され、来年以降は再び訪日インバウンド外国人客が戻ってくることでしょう。
上越リアル鉄道博物館プロジェクトでは「来るべき日」に向けて、新しい旅のスタイルを提案して、上越の看板商品を作っていこうと試みました。

題して、
「鉄道マニアじゃなくても雪国の鉄道を支えるいろんな技術を見て学び、クイズしながら満喫するツアー」

外国人でも日本の鉄道、鉄道技術、なつかしい鉄道風景などを楽しめるのではないか?
そして、外国人によりこの地域に興味を持ってもらう手段、鉄道の楽しさを知ってもらう手段としてクイズ形式で案内してみてはどうか?
という仮説を立ててみました。
では、実際にやってみよう。ということで、12月17日~18日の2日間でモニターツアーを開催しました。

こちらでは1日目にフォーカスして「クイズをしながらまちあるき」した結果をレポートします。
はたして外国人にクイズツーリズムは受け入れてもらえるかどうか?
参加者は、台湾人4名、ベトナム人1名、ポーランド人1名の6名。

まずは「上越を知ってもらおう」

鉄道の旅の前にせっかく上越に来たからにはこの地域の魅力を体験していただく「まちあるき」をしました。
上越の町の中心、高田のレトロな街並みを歩きながら、商店街のお店を訪ねます。

とはいえ、外国人にとってはあまり知られていない上越という地。
予備知識もあまりないでしょうから、いきなりクイズから始めてみました。

まず「Q1.新潟県はどこでしょう?」と日本地図の中からどの位置にあるかを当ててもらいます。クイズですから、みんな「当てたい」ので、わからないなりに一生懸命考えてくれます。

そして、新潟の位置が分かったところで「Q2.上越市はどこでしょう?」と新潟県の白地図の中から三択で選んでもらう。これ以外と地元の人でもわからなかったりします。

でも、わからないなりにじっと問題を見て答えようとすること、そして正解でも不正解でも答えを知った後の説明を聞いて理解することで脳トレになるし、思い出として刻まれていくのがクイズのいいところですね。

そして、このクイズによって、今、自分がどこにいるのかを把握したうえでツアーをスタートしていきます。

まずは駅前から1分。上越を代表するスイーツ「笹団子」の紅屋さんを訪問。
手摘みの笹の葉を使ってひとつひとつくるんだ笹団子はヨモギの香りがとても濃厚で外国人にもとても受けがよく、いきなりテンションアップ。お店のみなさんとの交流もあり、お団子ひとつで30分くらい滞在。お世話になりました。

雁木の町家の残る本町エリアに入り、日本最古級の映画館「高田世界館」そしてむかしの雁木町家を展示保存する「高田小町」を見学。

レトロな街並みは外国人にも響きますね。雁木の軒先につるされた切り干し大根にも興味津々。

そして、まちあるきの途中でもクイズが始まります。

そして「上越のおいしいスイーツといえばなんでしょう?」とつなげてこの先のまち歩きの展開に興味を持たせたり、「高田といえば目の前にある雁木の町並みが有名ですが、この屋根の下は誰の土地でしょう?」と町家の暮らしがみんなで支えあって成り立っていることを理解してもらったりするようなストーリーで組み立てていきます。

ここでは、雁木の町並みを見ながら、「屋根の上のはしごは何に使うの?」という問題。
三択の選択肢にも配慮をしており、言語がわからなくても直感的に回答を考えられるようにノンバーバルな選択肢を作ってみました。

とはいえ、ガイドさんが実際の民家の部屋を指さし、通訳をしながら問題を理解していただきながらとなりますが。

ここでもむわからないなりに答えてあたった時の喜び方は日本人より外国人のほうが素直でノリがいいのはとてもうれしいものでした。クイズツーリズムの訪日インバウンド版、行けそうですね。

そして、次は100年以上の歴史あるお店が並ぶ本町商店街を端から端までまちあるき。

ちょっと寒くなってきたので「酒のおおやま」さんに突然お邪魔したのですが、こころよく新潟の地酒を試飲させていただきました。

時期もよく、上越のお酒だけでなく、新潟じゅうから新酒が入荷しており、そのなかでも特徴的なお酒をご提案いただき、お店を出るころにはすっかりからだもあたたまり、購入したお酒の重みもここちよく再びまちへと戻ります。

そして、まちあるきの最後は「もちや」さん。
ここはみたらし団子がおいしいんです。

ここでも店員さんから「どこから来たの」「おいしいですか」等の質問を投げかけてくるのに対して、外国人みんなが明るくやりとりして店内で即席の国際交流が繰り広げられていました。

ここでまちあるきは終了しましたが、夜は外国人モニターの皆さんとの意見交換会を開催。

帰り道の途中で立ち寄った地元スーパーマーケットで各自が気になったお惣菜を買い込んで、軽いパーティー形式で今日1日で感じたことをヒアリングさせていただきました。

一番気に入った観光は「高田の雁木の町並み」
日本にしかない風景であること、それでいてどこがノスタルジックなところなどを評価していただきました。
そして、一番気に入った食べ物は「笹団子」
とても香りがよくておいしいということに加えて、店員さんとの交流でバナナのように向いて食べる方法を教えてもらったことが印象に残っていたとのこと。
意外と小さな体験でも「自分でやった」ということに価値を感じるということを発見できました。

意見交換会が終わったころには世代、国籍を超えて皆さん盛り上がっていました。

お疲れさまでした。

12/18 鉄道ファン向け 鉄道とクイズの旅 モニターツアーレポート へと続きます。